私もまる子だったから。
さくらももこさんの訃報を知り、衝撃を受けた。
物心ついたころから、日曜の夕方はちびまるこちゃんを見ていた。
幼い頃、父に髪を切ってもらっていた私は
常に前髪はがっつり眉上で切られ、丸顔丸出しで丸かった。
しまいには"まる子"と呼ばれた。
私の父、清もあっけらかんとした言い草が、まる子の父"ひろし"に似ていた。
あの頃は、あの"さくら家"と共感出来る何かを、
誰もが持っていたんじゃないだろうか。
エッセイも小学生の頃よく読んだ。
シンプルなカバーがどこか可愛いくて、
さくらさんの思い出や出来事がほっこりしていて、
時にせつない気持ちにさせてくれたことを、
表紙を見ると思い返す。
いつのまにか私も"まる子"だったから、
さくらさんと会ったことなんてないのに、
もう会えない寂しさを感じる。
あの頃、あの本達を通してまる子に出会えてよかった。
ご冥福をお祈りします。